軍縮と武器移転の世界史

軍縮と武器移転の世界史

「軍縮下の軍拡」はなぜ起きたのか

  • 著者:横井勝彦編著
  • 定価:5,280 円
  • ISBN:978-4-8188-2319-8
  • 判型:A5判
  • 頁:452頁
  • 刊行:2014年03月
  • ジャンル:経済史・経営史経済

内容紹介

前作『軍拡』後の、両大戦間期の軍縮会議・武器取引規制の取り組み、軍事技術と軍縮、日本における陸海軍軍縮の経済史の3点をキーワードとして議論を展開する。

目次

はしがき 横井 勝彦 
第Ⅰ部 両大戦間期の軍縮会議・武器取引規制の取り組み
序  横井 勝彦 
第1章 1920年代の海軍軍縮会議とその影響
     ──1927年ジュネーヴ海軍軍縮会議を中心として──
      倉松 中 
 1 はじめに 7
 2 ワシントン会議からジュネーヴ会議へ 
 3 各国のジュネーヴ会議に向けての準備 
 4 ジュネーヴ会議 
 5 おわりに──ジュネーヴ会議の影響── 
第2章 戦間期の軍縮
     ──ウィルソンからフーヴァーまで──  西川 純子 
 1 はじめに 
 2 ウィルソンの軍縮 
 3 ワシントン軍縮会議(1921〜22年) 
 4 国際連盟の軍縮 43
 5 ロンドン海軍軍縮会議(1930年) 
 6 おわりに 
第3章 イギリス商務院の武器輸出管理政策と外務省との角逐
       松永 友有 
 1 はじめに 
 2 通商政策をめぐる商務院と外務省との角逐 
 3 武器輸出規制政策をめぐる論争 
 4 武器輸出規制政策の転換 
 5 おわりに 
第Ⅱ部 軍事技術と軍縮
 序  横井 勝彦 
 第4章 東欧における武器取引
      ──絶頂期のフランス(1919〜30年)──
       ジョナサン・グラント 
 1 はじめに 
 2 北東ヨーロッパ 
 3 南東ヨーロッパ 
 4 航空機 
 5 海軍向け取引 
 6 おわりに 
第4章 東欧における武器取引
    ──大恐慌から再軍備まで(1930〜39年)──
    ジョナサン・グラント 
 1 はじめに 
 2 イギリスの武器輸出 
 3 フランスの武器輸出 
 4 ドイツからの武器調達 
 5 トルコの武器調達戦略 
 6 おわりに 
第5章 戦間期海軍軍縮の戦術的前提
    ──魚雷に注目して──  小野塚 知二 
 1 はじめに 
 2 装甲巨艦の論理とその弱点 
 3 魚雷の実用化 
 4 戦間期海軍軍縮の戦術的な前提と結果 
 5 おわりに 
第6章 明治海軍形成期の建艦思想とベルタン
    ──軍備拡大制約下における軽量艦の開発──  飯窪 秀樹 
 1 はじめに 
 2 一般の海軍史における叙述の問題点 
 3 予算的制約と海軍の危機 
 4 ベルタンの招聘 
 5 「厳島」「松島」のフランスへの発注経緯 
 6 三景艦と「千代田」の設計 
 7 ベルタンの設計思想 
 8 おわりに 
第7章 戦間期イギリスにおける光学ガラス・機器製造業者の再編  山下 雄司 
 1 はじめに 
 2 イギリス光学産業における第一次世界大戦の意義 
 3 戦間期の開始と光学産業の変化 
 4 光学ガラス製造業者の再編 
 5 光学機器製造業者の再編 
 6 おわりに 
第8章 軍縮期における欧米航空機産業と武器移転  横井 勝彦 
 1 はじめに 
 2 第一次世界大戦以降の帝国防衛体制 
 3 「軍縮下の軍拡」と米独航空軍事技術の海外移転 
 4 おわりに──「軍縮下の軍拡」と極東武器市場── 
第Ⅲ部 日本における陸海軍軍縮の経済史
 序  奈倉 文二 
第9章 ワシントン軍縮が日本海軍の兵器生産におよぼした影響
    ──呉海軍工廠を中心として──  千田 武志 
 1 はじめに 
 2 軍縮が日本海軍の兵器生産に与えた影響 
 3 軍縮が兵器製造所にもたらした変化 
 4 呉海軍工廠の生産の状況 
 5 呉海軍工廠の組織と労働環境の変化 
 6 おわりに 
第10章 海軍拡張・軍縮と関連産業
     ──財閥系兵器関連企業を中心に──  奈倉 文二 
 1 はじめに 
 2 第一次大戦期・大戦直後の海軍拡張 
 3 ワシントン軍縮と「軍縮補償」 
 4 「軍縮下の軍拡」 
 5 財閥系兵器関連企業の動向 
 6 おわりに 
第11章 陸軍軍縮と兵器生産  鈴木 淳
 1 はじめに 
 2 第一次世界大戦〜軍縮期の陸軍兵器需給の概観 
 3 第一次世界大戦期の連合国軍需と兵器生産 
 4 軍需工業関係立法と民間工業奨励 
 5 軍縮と兵器需要の変化
 6 軍縮期兵器生産の官民分担
 7 おわりに