21世紀への挑戦  刊行にあたって

北川隆吉

2010年6月より刊行開始!

21世紀への挑戦 全7巻 各巻予価2500円

刊行にあたって 編者代表 北川隆吉(名古屋大学名誉教授)

私たちは、地球規模の自然環境変化、そして環境としての社会の今後について、進むべき方途のオルタナティブを提起したいと、多分野にわたる選書を刊行することになりました。
進行している人類史、社会史、ひいては歴史総体の変動とそれが抱える問題を解き明かす突破口を開いていきたいと念願しています。

1 『哲学・社会・環境』
編者 山之内靖(東京外国語大学名誉教授)
島村賢一(放送大学非常勤講師)

技術と哲学をめぐるマルクスとハイデガーの「反響関係」を発掘し、近代の歴史的終焉との取り組みを「世界市民論」「グローバル・シティ」「生活世界の不安」「身体・政治・文化」「沖縄の巫者」「アメリカ社会」を場として検討する。
執筆者 山之内靖、G・ケイティブ(伊藤茂訳)、島村賢一、伊豫谷登士翁、井上芳保、林みどり、佐藤壮広、惠羅さとみ

2 『グローバル化・金融危機・地域再生』
編者 伊藤正直(東京大学教授)
藤井史朗(静岡大学教授)

20世紀末からの急激なグローバル化の進展と、国際経済関係の不安定、連続的な金融危機の発生の相互連関構造を解明し、そうした国際経済関係の激変が、国民経済や地域経済に与えているインパクトにいかに対するかを検討する。
執筆者 伊藤正直、増田正人、矢後和彦、菊池孝美、岡田知弘、植田浩史、加瀬和俊、中村尚史、藤井史朗、横田尚俊、加来和典

3 『日本・アジア・グローバリゼーション』
編者 水島 司(東京大学教授)
田巻松雄(宇都宮大学教授)

グローバリゼーションのもとでのアジア地域の変容を、経済や開発、階層、都市と農村、家族、人の移動、紛争、下層民などをとりあげ描く。そして、アジアでの変化が21世紀の世界のあり方をどのように変えていくのか追究する。
執筆者 水島司、朴一、佐藤隆広、鈴木規之、押川文子、石井由香、田巻松雄、清水奈名子、加藤弘之

4 『科学・技術革新・人間』
編者 北川隆吉(名古屋大学名誉教授)
中山伸樹(東洋大学教授)

前世紀はノーベル賞初授与で始まり、労働・交通・通信・医療・戦争など、人間生活を大きく変えた。科学・技術への批判や人文・社会科学からの検討をふまえつつ、今日の科学・技術と人間生活のあり方を考える。
執筆者 北川隆吉、中山伸樹、小松田儀貞、岩佐茂、中村征樹、登谷美穂子、井上照幸、橋本宏子、榊原裕美、南雲和夫

5 『地域・生活・国家』
編者 水島 司(東京大学教授)
和田清美(首都大学東京教授)

「自治」とは何か、「公共」とは何か。押し寄せる変化の波を受けて生きねばならない21世紀の私たちは、地域、国家とどのような関係を築くべきか。日本や世界の様々な取り組みから、ありうべき生活の位置を問う。
執筆者 水島司、北川隆吉、日野秀逸、久野研二、苅谷剛彦、平沢和司、魯ゼウォン、進士五十八、古川彰、三宅醇、和田清美

6 『社会運動・組織・思想』
編者 北川隆吉(名古屋大学名誉教授)
浅見和彦(専修大学教授)

現代日本の労働運動、市民運動、地域医療運動、住宅運動と平和運動、さらに世界社会フォーラム、国際農民運動の現状と展望をしめし、自治体、財政、社会的排除をめぐる社会運動の視点を理論的に解明する。
執筆者 北川隆吉、圷洋一、辻山幸宣、町田俊彦、浅見和彦、梶田義煕、小玉徹、下山省二、久村信政、秋本陽子、真嶋良孝

7 『民主主義・平和・地球政治』
編者 加藤哲郎(一橋大学名誉教授)
丹野清人(首都大学東京准教授)

21世紀の政治の行方は、グローバル資本主義の破綻と世界の多極化のもとで、環境・戦争・貧困・福祉・ジェンダー・文化等をめぐる民衆のネットワーク形成にかかっている。政権交代にとどまらない新しい政治を探求する。
執筆者 加藤哲郎、丹野清人、宮本太郎、畑山敏夫、木下ちがや、鈴木規夫、西澤晃彦、岩本美砂子、土佐弘之