歴史の立会人
昭和史の中の渋沢敬三
内容紹介
渋沢栄一の孫・敬三は、民俗学の先達であるとともに、第一銀行の経営者、日銀総裁、大蔵大臣などを歴任した。そのまれに見る人物の昭和史に残した足跡をたどる。
目次
序 文 渋沢雅英
第一部 経済人渋沢敬三
第1章 渋沢敬三の学問、思想と人格形成
──前半生を中心として── 由井常彦
はしがき
一 学生時代の渋沢敬三
二 銀行家時代の渋沢敬三
三 後半生の渋沢敬三の人物
おわりに
第2章 銀行家?渋沢敬三 武田晴人
はじめに
一 横浜正金銀行時代
二 第一銀行時代
おわりに
第3章 経済人としての渋沢敬三 武田晴人
はじめに
一 日本銀行時代
二 大蔵大臣として
三 金融制度調査会会長として
おわりに──「歴史の立会人」渋沢敬三──
第4章 渋沢敬三にとっての1950年代 木村昌人
はじめに
一 渋沢敬三の経歴
二 渋沢敬三にとっての一九五〇年代
三 渋沢敬三の果たした役割
おわりに
第二部 渋沢敬三、その前半生の研究
第5章 渋沢敬三と土屋喬雄の学生時代
──人格主義の教養と実証主義の学問── 由井常彦
はじめに
一 「生物少年」の渋沢敬三と「勉強一途」の土屋喬雄
二 第二高校時代の教育と人格主義
三 東大経済学部と社会主義
四 卒業論文・工業発展段階論と銀行発展史論
五 敬三のロンドン留学と土屋の「封建社会の崩壊過程の研究」
六 土屋の外遊と経済史方法論争
七 敬三の漁業史研究の開眼
結びにかえて
第6章 渋沢敬三とロンドン時代 由井常彦
はじめに
一 パリで西洋の文化遺産に感激──1922年10~12月──
二 ロンドンと正金銀行支店──1922年12月~23年5月──
三 イギリス経済と経済学、社会主義
四 ヨーロッパ各地旅行とマルクス主義
五 イタリア紀行、ローマと周辺──1923年10月~1924年1月──
六 イタリア紀行(続)、フィレンツェとミラノ
七 後半期のロンドン生活──1924年1月~1925年7月──
八 長男の誕生から帰国
あとがき
第二部付論 晩年の渋沢栄一と渋沢敬三
──橘川武郎編『渋沢栄一と合本主義』によせて 由井常彦
第三部 シンポジウム記録「歴史の立会人渋沢敬三」
仕掛人 武田晴人
シンポジウム記録
テーマ:「戦時戦後史の立会人 渋沢敬三」
報告 経済人としての渋沢敬三(武田晴人)
コメント「戦時インフレ・戦後インフレと渋沢敬三」(伊藤正直)
コメント「渋沢財政の評価──財政史の視点から」(浅井良夫)
討論
あとがき